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愛媛本部のアピール/中央本部の声明文
◆愛媛県教育委員会での「つくる会」教科書に対するアピール

 本日、愛媛県教育委員会は県立中高一貫校での「つくる会」教科書使用を採択決定いたしました。

 日本に永住する私たち在日韓国人は21世紀の国際潮流である「多民族・多文化共生」を目指し、日々韓日の架け橋的役割を担ってきました。

 この間、私たちは「つくる会」の教科書の不採択を訴えて参りましたが、愛媛県教育委員会のこの度の決定に対し、深い懸念と憂慮を表明せざるを得ません。

 この採択決定は21世紀の国際社会に生きる在日韓国・朝鮮人及び日本の学生たちの未来に大きな障害を生じさせるものです。近隣諸国は勿論多くの日本人からも認知されない自国・自民族至上主義の歴史観に偏った教科書で学ぶ学生たちが将来、国際社会においてリーダーとして認められる人材に育つはずがありません。私たちが定住の地と定めた日本が「世界の孤島」となることに不安を隠せません。重ねて採択の撤回を求めます。

 私たちは今後も日本の公教育の場に子弟を委ねる立場から、相互理解・国際性豊かな学生の成長を阻止しかねない教科書の不採択を求め、少しでも多くの理解者が声をあげてくださるよう日本社会に訴えて参ります。

2002年8月15日

在日本大韓民国民団愛媛県地方本部
団  長 金  容  徳



◆愛媛県教育委員会の教科書採択に対する声明

 差別と偏見に負けない在日韓国人の子どもたちの成長を願う本団は、21世紀初頭の昨年に引き続き、問題の歴史教科書の採択をめぐる日本全国の教育委員会の動向に関心を持って参りました。特に昨年、養護学校での採択を決定した愛媛県教育委員会に対しましては、明成社版高校歴史教科書と中・高一貫校の設立とあいまって「新しい歴史教科書をつくる会」中学歴史教科書の採択について深い懸念を抱いてきました。

 ご承知の通り、世界の人々が注目をした2002FIFAワールドカップ韓日大会の成功と韓日国民交流年と言うことで、21世紀の新たなアジアと韓日関係の出発に期待が寄せられている中、愛媛県教育委員会が昨年0.04%にとどまった問題の中学歴史教科書を「採択決定」という報道に改めて驚きと遺憾の意を表明せざるを得ません。問題の教科書は、平和と人権の西紀と言われる21世紀初頭の昨年、検定の過程から採択に至るまで、韓国、中国は勿論、世界に波紋を投げかけました。従来の近・現代史の内容から、大きく変化し、アジア諸国に対する「侵略」の記述だけでなく、韓国に対する植民地支配の政策などの記載も大幅に減少しました。そればかりか「アジア諸国が欧米の植民地から独立する契機となった」などという記述に至っては、日本のアジア侵略の隠蔽であり、植民地支配を正当化した先の戦争さえ肯定するもので、到底、黙過できるものではありません。検定の過程で大幅に指導修正をされたものの荒唐無稽なわい曲事実をあたかも事実のように取り上げ、日本でしか通用しない内容が含まれていることに時代錯誤の感すら覚え、保護者の立場からその採用に強く反対してきました。

 私たち在日韓国人は、日本のアジア侵略、とりわけわが国を植民地支配した結果、日本に居住するに至った当事者とその子孫であります。解放後、韓国民団を結成し、今日までの活動の多くを植民地史観の克服と在日同胞の権益擁護運動に努めてきました。徴兵・徴用や強制連行による犠牲者、関東大震災の虐殺事件など隠蔽された歴史的事実を明らかにする一方、創氏改名による日本名から民族名の回復など、植民地時代の残滓の克服に努めて来たのです。さらに不幸な歴史を克服するうえで、韓日・日韓の相互理解が何よりも重要であるという立場から市民レベルの友好親善活動に力を注いでまいりました。

 今日、心ある多くの日本人や団体の協力を得て、韓日・日韓の理解が増進、差別事例の多くが克服され、2002ワールドカップ韓日共同大会の成功的開催により、共存・共生のさらなる一歩が記されましたことを大きな歓びとして受けとめてまいりました。特に1994年に国際連合で採択された「国連人権教育10カ年計画」が、内閣総理大臣を本部長に、文部科学省大臣が副本部長となり、差別事象の撤廃と国際理解教育の一環として積極的に進められていることに大きな期待を抱いて来ましただけに、昨年の事態やこの度の愛媛県教育委員会の審議結果につきまして支部帽と憤慨やるかたない思いであります。

 あらためて、日本の公教育の場に私たちの指定の教育をゆだねている在日韓国人の保護者の立場から、再検討していただくよう強く要望させていただきます。アジアは勿論、世界の中で主導的な役割を期待されている日本にとって、自民族至上主義の独善的教科書の採択は、決してプラスとはならないと考えます。日本国内をはじめ、アジア各国から巻き興っている抗議の声を十分斟酌され、愛媛県教育委員会の真摯な対応を要望するものであります。

2002年8月15日

在日本大韓民国民団中央本部
文教局長名 鄭夢周
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